■調布篇第12回 調布駅
漫画には出てこないが、つげ氏関連の本にはしばしば話が出てくる調布駅。これは北口の風景。右手の建物はPARCOで15〜20年ぐらい前にできた。当時はどうしてこんな郊外に?と言われた。調布駅は、新宿から京王線に乗り、各駅停車で17つめ(25分程度)、特急では2つめ(15分程度)の駅。ちなみに高級住宅街の田園調布とはまったく関係がない。 【2006年2,3,4,5月撮影】
改札から真北を望む。100mほど直進すると旧甲州街道にぶつかる。旧甲州街道沿いにはたくさんのお店が並び賑やか。
昭和30年代の調布駅。都心から近いわりにずっと田舎駅だった。いまでも駅のそばにちらほら畑が残っている。調布という地名は、大昔、その土地の生産物を納める税(=調)として布を納めていたことに由来すると言われている。布作りが盛んだったのは多摩川をはじめあちこちに川が流れているせいだろうか。
調布駅南口。北口と比べると南口はあまりお店がなかったがここ10〜15年ぐらいでだいぶん増えてきた。市役所や図書館、市民センターなどの公的な施設は南口に集中している。
調布市中央図書館でつげ義春全集(全8巻)を読む。場所は南口徒歩5分の「文化会館たづくり」の4〜5階。この図書館では地域資料としても、つげ義春氏ならびに水木しげる氏の漫画を積極的に収集・保存している。つげ氏に関しては、おそらく国立国会図書館を除けば日本一の蔵書数。貸し出しもしている。
喫茶店シャノアール(タカハシデンキの2階)。日本大学芸術学部教授にして文芸・漫画研究家の清水正氏が2003年8月につげ氏と調布で会うことになった際に、つげ氏から指定された喫茶店。場所は駅北口を出て線路づたいに右方向(新宿方向)に行って100mほどのところ。店内は広く、このあたりでは最もゆったりくつろげる喫茶店。
『退屈な部屋』のひとコマ。旧女郎部屋アパートに向かう途中で主人公が踏切待ちをしているところ。電車のフロントには急行の「急」と「八王子」と書かれている。これと同じタイプの電車は1980年代までは走っていたと思う。
同じ踏切と思われる所から眺めた風景。調布駅から東(新宿方面)に2つめの踏切あたりから撮影。この踏切から、旧女郎部屋アパートがあった旧赤線通り(現仲町通り)まで一直線につながっている
これも『退屈な部屋』のひとコマ。奥さんと一緒に、旧女郎部屋アパートから自宅に帰るところ。
上記の絵はおそらくこの場所がモチーフではないかと思う。右側はお寺(蓮慶寺)。かつては古い塀に囲まれ中にはたくさんの樹木が茂っていて上の絵の雰囲気と似ていた。左側のお店風の家がかつてあったかどうかはもう覚えていないが、家の前にある木の位置は漫画と同じ。場所は、前出の踏切を南→北に渡ったすぐのところ。なおアパートから自宅に帰るならば二人の向きが逆である。絵の左側の古いお店を入れるためにこの構図にしたのか。
マキさんの『私の絵日記』のひとコマ。息子の正助氏と北口の西友に行った帰りに踏切待ちしているところ。近くに夏ミカンのなっている家がある。電車のフロントには「新宿」「特急」とある。
※絵:『私の絵日記』藤原マキ(学研M文庫) つげ氏の奥さんであるマキさんが、1980年のつげ家の様子を絵日記で紹介したもの。絵・文章ともに楽しくて切なくて秀逸。つげ家写真集やつげ氏のあとがきも必見。
おそらくこの場所ではないかと思う。分かりづらいが右手の家の前に大きな夏ミカンの木があり実がなっている。写真には写っていないが左手にすぐ踏み切りがある。ここは駅から東方向に3つめの踏切で多摩川住宅に帰るにはいちばん近い。
調布駅周辺の地図。